福岡市平和台競技場〜雁の巣折り返し
正午スタート
(出場選手38人、完走者33人、天候小雨、気温11.5度、湿度88%)
名前 |
所属 |
時間 |
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1.寺沢 徹 |
(大阪) |
2:14:48.2 |
2.中尾 隆行 |
(東京) |
2:15:42.0 |
3.広島日出国 |
(宮崎) |
2:17:18.6 |

東京五輪のマラソンに出場した寺沢徹、君原健二、円谷幸吉のうち、銅メダルに手が届いたのは、最もマラソン経験の浅い円谷だった。五輪前年の別府大分で2時間15分15秒8の当時の世界最高をマークした寺沢は不本意な15位に終わり失意の底にいた。「競技をやめようか。だが、もう一度挑戦して2時間20分が切れなかったらやめよう」と福岡に挑んできた。
東京五輪のマラソンからわずか46日後、28歳の寺沢が引退をかけてスタートラインに立った。寺沢の前の日本最高記録保持者中尾隆行(東京)、前回優勝のジュリアン(ニュージーランド)ら手ごわいライバルも顔をそろえた。
レースは寺沢、中尾、フドメル(チェコ)らを中心に序盤からハイペースの展開。5キロは16分前半、20キロでは、日本最高を48秒上回った。20〜25キロで15分25秒にペースが上がり、32キロで寺沢、中尾と新鋭の重松森雄(福岡)の優勝争いに絞られた。
健闘した重松が足を痛めて後退し始めた35キロ過ぎ、寺沢が仕掛けた。35キロでは1時間52分0秒で、日本最高をまだ24秒上回っていた。一瞬のうちに中尾に20メートルの差をつけ、独走に持ち込んだ寺沢が、自身の持つ日本最高を27秒更新して2年ぶりの優勝。寺沢は競技続行の決意を固め、その後も日本のマラソン界をリードした。
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