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新人もベテランも

2017年5月11日
実業団選手に混じって走る林田(ナンバーカード283)
集団を引っ張る佐々木(右)

 トラックシーズン真っ盛り。ゴールデンウィークの最中、5月6日には28回目を迎えたゴールデンゲームズが宮崎県延岡市で開催された。大会は1990年に旭化成陸上競技場の改修記念として開かれたのがきっかけ。実業団だけでなく、大学、高校の一線級が中、長距離種目に出場する活気ある大会だ。

 今年、注目したのは長崎・瓊浦高1年の林田洋翔。桜が原中3年の昨年、3000メートルの中学記録を更新(8分19秒14)し、今年1月の全国都道府県対抗駅伝でも区間賞の活躍を見せた逸材だ。入学後、2度目の5000メートルのレースでは、実業団選手に混じって走り、14分34秒10のタイムでその組の4位に食い込んだ。「実業団の選手にしっかりついて行こうと思っていましたが、3000メートル以降、ペースが上がり、つけなかった。まだ粘り強さが足りません」。同じ長崎市に拠点を置き、井上大仁を今夏の世界選手権に送るなど上昇気流に乗るMHPSマラソン部との合同練習にも参加。井上から「焦らず、じっくりやれ」とアドバイスされたという。「将来は日本代表として走りたい」と話す林田の今季の目標は、遠藤日向(福島・学法石川高)がマークした高校1年の5000メートルの最高記録13分58秒93を破ることだ。

 その遠藤は今春、住友電工に入り、延岡では1500メートルに出場した。高校3年の昨年は高校総体の1500メートルで優勝、5000メートルで日本選手トップの3位、そして日本選手権の1500メートルでも4位と、トラックの期待の星だ。あまたあったであろう進路の選択肢の中から、早大前監督の渡辺康幸氏が指導する住友電工を選んだ。3分47秒98で6位だった遠藤は「これだけレベルの高いレースは1年に何本もない。どれだけついて行けるか挑戦しました」。今季は日本選手権の1500メートルでの表彰台を狙う、という。こうした流れから想像するに、2020年の東京五輪は5000メートルでの勝負を目指すのではないか。

 もちろん、ベテラン勢もそれぞれの目標に向かってスタートを切っている。

 5000メートルには、いずれもマラソンでの世界選手権出場を逃した佐々木悟(旭化成)、前田和浩(九電工)、今井正人(トヨタ自動車九州)の姿があった。今井は「やっぱり中途半端な練習ではマラソンは走れない」と昨季を振り返り、「6、7月に土台をしっかり大きくする」。前田は「去年はスピード練習から逃げていた。逃げるとろくなことはない。今年は苦しみながらもやっていく」。佐々木は今年のびわ湖で日本選手トップの4位に入りながら代表に選ばれなかった。「気分が沈んだのはレースの終わった日くらい。東京五輪までとは今は言えないが、1年1年成長するしかない」と語り、今年の福岡国際出場を明言していた。

朝日新聞西部本社スポーツ担当 堀川貴弘